あさきの曲と共に書く不定期更新日記


by asaki-konoko

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赤い鈴






夕暮れ 遠くに伸びる 長い二人の影を目で追いながら
手をつないで帰った
鳴る小さな 小さな 鈴の音
一様に並んでいる鳩時計と一緒に鳴るよ
りんりりぃん
響く小さな小さな音

ある朝 彼はお偉いさん
「君は僕がいなくても平気ですか?」
震えるその手から漏れている 堂々巡りの迷妄
とても汚ない色をした 吐き気を催す丹の笑み
りんりりぃん
響く彼女の鈴の音

白装束の老婆が背中で笑う
そうさ ぺろりと・・・舌出しながら
「右手は空へ 左手は海へ捨て
立派に蒼天仰げよ!」
と論う鴉たちは右へならえ

至極是当然と並べ立てた理想と幸せは雨催い
茫漠と広がり解ける
耳元で囁く
「鬼さんこちら 手の鳴るほうへ」
白雲消えていく・・・

「嘘をつくキサマらの舌なんてチョン切って捨ててやる!
ずっと待つんだ!彼を待つんだ!」
見えぬ聞こえぬ
「何もないほうがいい」と笑う
金魚鉢に写る彼女はくるくる流れる

「お元気ですか?」
彼女の手紙 ある日を境に途絶えた

何度目かの緑雨に染まる鳥が風を連れてきた
でもいない あの子を黙して音色
あの飴色空 影を延ばすことは無いでしょう
鈴は鳴り響く

「僕は帰ってきたよ!」
鴉の喚声 暮色に消ゆ
彼は走った!そして涙こらえてそっと扉開けた!
そこには・・・彼女の時をのせた 鈴の音だけが・・・
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by asaki-konoko | 2005-09-29 04:17

月光蝶





「あの高さはどれ程でしょう?」
と貴方は言っていた

幼いころ
お月さまの下でキラキラの満ち欠け辿って遊んだ

遣らずの片時雨
紫陽花と琥珀色した月は汀で踊る
それぞれを讃えながら

一つ棘に触れるたび 消えていく
ひとつもこぼさぬよう
てのひらですくってためた月はなくなっていた

さよなら
白面に照らされた
指先にとまる 番の蝶
キラキラと光る雪は
貴方のような気がして 息が出来なくなった

指に絡む蜘蛛の糸
私・・・私の顔が無い・・・

のぼっていく 消えていく しゃぼん玉
壊さぬように 大切に大切にしていたのに

私はここにいるよ ねぇ 神様
湖面の波紋にのり ゆれながら・・・

綺麗に飾った蝶はガラス玉
いつからだろう
何も無い私
蝶が飛べたのは
いつもいつも
貴方がいてくれたから

さよなら
物言わぬ者たちよ
きっとずっとそうなのでしょう
キラキラと光る月は ああ 雪色の蝶に溶け 涙になった
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by asaki-konoko | 2005-09-29 04:16



煌々と月明かり
雪の降る、それはそれは美しき桜でありまシタ

「真ッ赤ナ鏡ト唇交渉」

うれし夜 おかし夜 36.7度の波打ち際
白昼夢に摘んだお花などいかが?

みなさま あれ ごらんあれ
クスッ...クチビルむにゅむにゅと
空にはたくさんの足→交換しましょう
瞼閉じて耳塞ぐ
(転がる赤い玉)

ひゅうるり ひゅうるり ひゅうるりと
愛しい背中 やっとツカマエタ

ゆらり ひらり 舞う桜を
紅代わりにして 契りましょう

ホラ....白い顔に残した 逆さま配列
忘れぬよう、鉛で瞼開いて...泣いた

振り出し止まぬ雪照らす 灯籠の緋は貴方
貴方の非 消せど 耳鳴り止まぬ

赤く桜咲く 風に舞う
螺旋の糸もつれ合い、帰路を無くした

「ららら ららら ららら るるる
召しませ 逆さママ 籠メや..」

...一ツ...二ツ...三ツ...四ツ積ンデハ貴方ノ為ニ...
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by asaki-konoko | 2005-09-29 04:15

この子の七つのお祝いに

「この子の稚き ててが握る紅差し指は禍福よ」
   貴方の遺愛のぼんぼり粛然と
   灯点して暗夜に濡つ
   私と子と交錯する雨音に心願
   「散華と散り敷く涙も枯れた」
                          あれから幾年 貴方が残したちぃさぃ幸せ
                          髪締め乍 夜な夜なこの子の為にと
                          子守の唄を 口遊み 徘徊る四肢
   臥所の灯りに ゆらゆら寂実
   天井踊って 眼下に破れ
   飛び散る手足が頭についたり
   炯々 いひひ と耳奥舐める

         毎朝毎晩 舌掻きむしって 騒耰

   反り返る

   もういいかいもういいかい と笑む
   稚拙な吐息て炙られても
   この子のために 
                              うしろの正面だぁれ
  
   白黒キネマの廃工場から流れる煙がこの子を包む
   右手 左手 足 首 心音
   蛇口に隠れた少女が飛び出し小さなこの子の姿に閃光
   少しずつ食む

             この 笑みも 心の理み火 一切 誰にもやらぬ!
             貴方が残した小さな幸せ守るために 白鶴
             「溢れる汚水に片身を浮かせて恥ずべき奴だ!」
             ゲラゲラ讃える狐の団居に背を向け
             唇噛みちぎり ぼんぼり抱えて慟哭


                               ああ 静かに流れる音が
                               こだまして九十九折りなす
                               小さな貴方の手を引き 生きていく
                               ひらひら 椿の散華
                               同じ重さの掌にそっと頬よせ
                               火を灯す

  言祝ぎとした 白雨 消え入る
                      白黒キネマの廃工場から流れる煙が眩き昇る
                      金切り声あげ大路に集まり跋扈に散乱 縺れて不揃い 
                      刻々次第に影絵となりて
                      化粧いた眼球親子に向ける
                      奥歯をならしてしたたる夫婦が
                      咫尺で息吹く
 
  懐手して足踏みする翁が
  手遊びする媼に耳打ちをしている
  
  狐 「ほらほら はやく 息 とめなくちゃあ!
            背中にしがみついて 首刈るぞ」


  点鬼薄くわえた白髪少女が神木登って爪立ち絶叫
  咽び この子を 抱き締めた
  狐の堵列は這いずり回って裂帛為い為いこの子を掴んだ
  嗚咽
  「嗚呼、この子だけは なくさぬように」
                             助けて!
 
 女 「耳 鼻 目 口 髪の毛一本誰にもやらぬ!」
 狐 「おまえが望んだ幸せ ひとつも ひとつも 叶わぬ」
    髪の毛むしって嗚咽
    少女はもんとりうって笑う
老夫婦 「隠してしまえよ この子が七つになるまで」
            女「ぁぁぁぁ 貴方ー鯉のぼりが空にのぼっていくまで お願いー」


    「この子に幸せの風が吹きますように」
 
    ああ 貴方の足跡灯し歩く小さな背中見て祈った
    この子の七つのお祝いに 小さな折り鶴ひとつ 水上から流す
    幸せ込めて 貴方は風に舞う
                                
                                   明らみ差し込む光の尾が笑み
                                   貴方の遺愛の灯りを消し去り
                                   大路を掠めて悠然と舞い
                                   神の木連なる閑居に消えた
                                   狐の堵列は歪にくねって右顔左眄
                                   互いに食い合う
                                   時折 八ノ字に笑みながら

 おやすみよ すやすやと かわいいこ
 あなたは 目を閉じて
 ただすやすやと おねむりなさい

           崩れた積み木の下で抱く狐色の子
           逃げていく

                         神木から落つ 少女の顔ただれて泡吹き金切り笑う
                         浅黄に染まった男と女は利休鼠の眼球こすって痙搴
                         劈く音して一瞥 先には
                         双眸を縫ったお狐様の行列が 股開く
もういいかい
まあだだよ
もういいかい
もういいよ

           首転がる
   
                「ああ この子が大きくなれば あなたと過ごした日々がまた」
                瞳は刻んだ硝子の回想
                空を泳ぐ鯉のぼりだけは知っていた

あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あー

あー

 この子       よく      見たら     ぁーぁーぁーぁー


                              お人形


   
 
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by asaki-konoko | 2005-09-28 14:24

[秘密 其ノ一]

それらは概ね、はねつきあたまのあの子の帰りを待つ わたくしどもが
デタラメに吹く口笛を薄くのばして作った風車でありますゆえ
まあ「虚飾は何とか」とでも申しますか
くるくるくるくるくるくるくるくる
廻る風車
あーっーまた帰ってきた!!
『おかえりなさい』

[秘密 其ノ二]
 
尾のない赤い目をした子犬が彼に問う
(そうそう これも『お月さまが照らしてくれた秘密』なのですが)
「それは羽かしらん?」と
ほうき星に導かれてここまで来たんだと
くぅるり まわる 風車は折れた


[アノ子何処ノ子]

人肌恋しい 恐れのお山で僕は産声をあげました
カタカタ 風と風車 調律はお好みで
母様は音のない人で 泣けども 泣けども
爪かじり 飛び回っていた
『帰依』だとおっしゃっていた

「残月にお祈り」
「寄らば大樹の陰だねー」

「そう(笑)誰よりもずっと 優しくされたいのでしょう?」

ラ~ララ~と貴方は言う 舌を回しながら
千の目が恐くて
泣きながら月にお祈りした


~青より白濁 白より蒼い天上の月光を以て初めて
   鮮明に浮かび上がる千の羽を頭に縫いつけた結果~

地よりも低い空へと昇り のぼり ま すー ませんかーましょうー

『君が』

「綺麗ナー」と 母は見てくれた
ひらひら ひらひら 千枚羽
相も変わらず唄を歌う でも音がないね 母様
震える銀の波
祈り・願いの代償=ズルリと頭から伸びていく
母は笑っていた
『月へと伸びていく母を追いかけて泣き叫ぶ僕の後ろではねは静かに ただ静かにゆれていた』

ああ 風車はからんからんと音をたてて流れていく
流れていく
微笑だけを残して


赤い空の窓に消えていく母をよぶ
唄を歌った 喉が枯れるほど



幼き歌声をのせた 月の雫は
降り注ぐ光のおびに溶けて星になる
つよく ねえ そう 高く背伸びしたよ お月さま
空へと落ちていく


『あっあっーまた帰って来たー』



もし きみきみ はねははえました?
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by asaki-konoko | 2005-09-28 12:50